煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

これが現代アーティスト、"4s4ki"をバズる前に聴け

皆様、お久しぶりでございます。

新型コロナウイルスで自宅待機やテレワークを命令され、さらに給料もボーナスも減らされる昨今、どうお過ごしでしょうか。

 

俺は専らTwitterに張り込んで、「喫茶店でコーヒー飲んでたら目の前にカップルが来たので煙草の煙をわざとカップルにぶつけてやった」とか、「札幌の大通のイルミネーションを撮ってるカップルがいたのであえてその前を通り過ぎて写真に映り込んでやった」とかツイートしてます。全部本当です。寂しい人間だなオイ。

 

俺がカップルに嫌悪感を感じてるみたいに、やっぱりこの時代特有の苦悩とかってあると思うんですよ。それこそさっき言った給料ボーナスが減らされるとか、好きなバンドのライブが中止になったとか、ヒプマイにハマって給料全部左馬刻様に奉仕して金がないとか。そんな悩みを、現代人は「SNS」に捌け口を作る時代になっている現状があるんです。例えばインスタのストーリーで黒い背景に顕微鏡で見なきゃわからないくらい小さい白文字で病み投稿をしている女。あれは本当にストレスを昇華できているのか疑問に感じるんですけど、何をしたいかわからないので知ってる人教えてください。はい。

 

でもまぁ、こういった感情の起伏は常日頃我々にも生じるもので、程度の違いはあれ誰しも気持ちが沈むことはあるのではないかと思う。それを音楽を作って昇華する。そんなアーティストが最近増えてきた気がするのだ。

その一例として、今回紹介したいのが、"4s4ki"というアーティストである。

 

超破滅的思考 / 4s4ki

 

作詞作曲は勿論 編曲までを1人でこなす新世代アーティスト。 2018年3月『ぼくはバカだよ。』でデビュー。 2018年8月にはハシシ(電波少女)を客演に迎えた『Moldy』を発売。 2019年3月「アサキ」から「4s4ki」へ表記を変更、プライベートレーベル「SAD15mg」を設立。 作家としては『けものフレンズ』『SHOW BY ROCK!!』の舞台音楽制作や、声優ユニットサンドリオン〟へ楽曲提供するなど、その才能は多岐に渡る。

 

という経歴の持ち主なのだが、曲を聴いてみると、その技術に驚かされる。しかも、トラックメイクもリリックも1人で手掛けているというのもまた驚かされるのだ。しかし、特筆すべきはやはりその世界観であると感じる。脆いようで芯がある、強い自分と弱い自分の混在、その複雑によって出来上がった歪な自己。そういった現代の若者が持つ様々を、高い音楽技術で表現しているのだ。

海外の音楽シーンにおいても近年、トラップの酩酊的なビートに乗った自己否定感を詞にしたような楽曲が受けている。こういった背景には現代人の傾向として、強い自分だけでは生きられない、弱い自分をさらけ出す瞬間も必要な側面があるのだ。こういった楽曲を出すアーティストを勝手に「現代の若者が持つ感情を表現するアーティスト」として、「現代アーティスト」と呼んでいる。そういった現代アーティストを求めている若者は少なくなく、現代人の「救い」になっているのは間違いのないことなのだ。

 

欠けるもの / 4s4ki

 

「超破滅的思考」とは違ったゆったりとした雰囲気で、冒頭のささやきのような歌声から4s4kiの独特な色を感じ、非常に引き込まれた一曲。トラックの鳴りもかなり落ち着いているのだが、ここに4s4kiの流れていくような歌声が乗っかることによって、静かでありつつも疾走感が生まれているように思える曲になっているのだ。

 

今ポエトリーリーディングという音楽ジャンルはもうちょっとアツくなってもいいと思うんだ - 煙草の煙が目に染みるの記事で書いたのだけれど、ポエトリーリーディングHIPHOPというジャンルが最近主流になってきている。4s4kiは、そのHIPHOPの流れを意識しているような感覚がするのだ。よくあるゴリゴリのラップ調の歌ではなく、今流行りのしっかりとリズムに合わせたラップの色が見られる曲調であると感じされる。4s4kiがどのような音楽シーンを意識して作成しているのかは定かではないものの、今の音楽シーンの真ん中を突っ切れる程の技術、そしてフローを展開できているのだ。

 

35.5 / 4s4ki

 

これまでのゆったりとした雰囲気とは違く、ハードダンスサウンドをベースにポップスへ昇華した超高速BPMの実験的なトラックであるのだが、曲調は違えど、4s4kiのリリックは健在。平熱35.5というワードをキーに、先程申し上げた現代の若者が持つ様々を、高い音楽技術で表現しているように感じるのだ。

 

4s4kiは12月16日(水)にニュー・アルバム『超怒猫仔/Hyper Angry Cat』をリリースすることが決定している。4s4kiが2019年9月以降に配信限定でリリースしたシングル「欠けるもの」「escape from」「ラストシーン」「ラベンダー」「kg」、EP『遺影にイェーイ』からオリジナル楽曲を全曲収録。さらに未発表の新曲を4曲加えた全24曲入り、2枚組の大ボリュームの作品となる。

で、ちょっと気になったのがリリースする作品に向けた本人コメント。

 

全細胞生き生きアルバム

アンデッドにゃんこ添え

 

多分本人やべーやつです。

今後も彼女の精力的な活動を期待してます。

 

それでは。

 

 

遺影にイェーイ [Explicit]

遺影にイェーイ [Explicit]

  • 発売日: 2020/08/21
  • メディア: MP3 ダウンロード