煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

アイドルを下に見てるバンドマンを殺すアイドル特集 2020

皆様!推しにじゃぶじゃぶお金を投資していますか!僕はチェキや特典のために貯金がなくなるまで投資しています!まちゅです!こんにちは!

どっかのテレビの特集で「今の若者は何にお小遣いを使っているのか?」みたいな特集をやってたんですけど、その1位が「推し活」だったと記憶している。最近の若者のブームでは、刀剣乱舞だろうがヒプマイだろうがアイドルだろうが千差万別ではあるものの、「推し」という概念に深い心の拠り所を作っているのは間違いのないことなんだと思う。

 

以前に"CY8ER"というアイドルの商業戦略に平伏せ - 煙草の煙が目に染みるというブログのタイトルでCY8ERというアイドルグループを取り上げたんですけど、やはり未だにアイドル音楽を聴く人たちはそこまで多くない。というか、ロック音楽を聴いている人間っていうのは今のアイドルソングを下に見ている気がするんですよね。その理由として、「いい曲じゃなくても売れるから」なんですよ。これめちゃくちゃ語弊があるんですけど、アイドル音楽っていうのは、そのアイドルの顔やパフォーマンスありきな部分があって、簡単に言うとアイドルの質が高いから、その副産物としての音楽が評価されているだけなんですよ。ていうかそもそも主戦場が違う。だからロック好きな人間ってのはアイドル音楽を下に見てるんですよね。

人っていうのは、自分の属するカテゴリーから外れた人間を理解しようとしないばかりか、バカにすることで自尊心を保とうとするんです。結局これって人間の無意識からなる行動なんですよ。まあね、気持ちはわかる。僕がヒップホップ好きな友達から急にラップバトル仕掛けられたときと同じ感情です。その時ビートに乗せながらそいつビンタすればよかった。

 

っていう時代はもう遅い!今の時代、アイドルソングは副産物ではなくなったのだ。というか最前線を突っ走ってる。アイドルを馬鹿にしているバンドマンの皆さん。一回敗北を認めてアイドルソングを学んでください。

 

と、まぁ前置きが長くなりましたが、今回はアイドルを馬鹿にしたバンドマンを殺すアイドルソングというテーマで、アイドルソングの概念をぶち壊してくれるグループを幾つか紹介したいと思います。皆様のアイドルソングの入口として、聴いてもらえれば幸いでございます。

 

BiS

STUPiD / BiS

 

“楽器を持たないパンクバンド”として有名な女性アイドルグループ、快進撃を瞬く間に続けているBiSHが所属する音楽事務所WACK。そのWACKに所属する「全裸MV」や「24時間耐久フリーライブ」などの前代未聞のパフォーマンスでアイドル界に賛否両論を巻き起こし、2014年に横浜アリーナで解散した破天荒アイドル、BiS。何やかんやあって2回の解散を経て、2019年6月からは第3期が始動している。

え?もうBiSって有名じゃね?ってそこの貴方ね、絶対第3期BiS聴いてない。これマジ。さっき見せたSTUPiDのMV再生数が現在77万回再生されてるんだけど、第1期や第2期のMV再生数は軽く100万回再生されてるんです。要するに聴き手が少なくなってしまった。第3期は名前は同じでも全く別のグループと思っている人が多いかもしれない。それは、第2期は第1期の曲を歌い継いでいたが、第3期は過去曲を歌い継がず、すべてが新曲だからなんだと思う。しかし、音楽性は第1期から変わらずにロックサウンド。第2期のように疾走感があり、前向きなメッセージの曲や明るい曲調も多い。過去の魅力的な部分をミックスさせ、「音楽が良い」と言われ続けてきた高い音楽性はしっかりと守っている。しかも、第3期は過去で最も技術があり、より音楽の魅力をしっかり伝えることができるメンバーが揃っているんです。例を出すと、ネオ・トゥリーズというメンバーの歌唱力には驚かされるんです。なんと地声でhiG#まで出せるという音域の広さ。他のメンバーにしても色気のある歌声、パワフルな歌声とが混じり合い、音楽だけでも勝負できる実力を手に入れているんです。第2期BiSで止まっている貴方。第3期BiSも聴いてみませんか?

 

我儘ラキア

Melody / 我儘ラキア

 

あえてPVではなくライブ映像を選んだんですけど、どうですかこの熱量?エグくないですか?

2016年6月17日にデビュー。「われがままに。自分らしく歌う。」をコンセプトに活動をしている。大阪を拠点としてますが、東京、名古屋など全国各地でライブをしている、もう売れ始めているアイドルの一つであると思ってる。

魅力の一つとして、先程言ったライブの熱量にあると感じている。ラウド系・ロック系の曲調に、情熱的でエモーショナルな歌声。図太く歪んだサウンドと激しいデジタルビート、緩急の激しい楽曲展開。それにファンが呼応しているのか、ライブは激しく後方からステージが見えないほど高いリフトが壁のようにそびえるのが名物になっている。大阪のラウド系なアイドルとしてPassCodeが有名ではあるが、その後を継ぐようなアイドルかもしれない。

 

BLACKNAZARENE

BAD END / BLACKNAZARENE

 

「THUG×kawaii」をコンセプトに、ストリートカルチャーとアイドルシーンを融合させた世界観。アイドルらしからぬサグい言動とスキルの高いパフォーマンスで、「可愛いのに媚びてない」と同性からの支持も高い。

アイドルと言えば「可愛い」「元気」「笑顔」といったキラキラと光輝く姿を思い浮かべることだと思う。しかし、このBLACKNAZARENEというグループ、プロデューサー曰く「みんなで楽しむための音楽じゃなくて、孤独を感じる人にいつでも寄り添える音楽を作っている」と発言しており、訴えかけてくる力がとても強くて勢いがある。さっき載せた「BAD END」という曲の歌詞を引用すると、

生まれたことすら後悔する日も

何もかも許せない日も

弱りきった僕を抱きしめた言葉は

あの日からいつもここに

何度だって誓うよ

君がいた世界に救いはあると

っていうね。完全にアイドルにありがちな「超前向きポジティブポップソング」ではなく、孤独に悩む人間に向けて曲を書いていることがわかる。アイドル界のSyrup16gか?絶対違うな。

 

Payrin's

イドラホリック /Payrin's

 

2016年10月にデビューしたアイドルグループ。ギターロックやオルタナティブロックを中心に曲を展開している。1番の特徴なのが、ボーカロイド楽曲からの影響を感じさせるサウンドだということだ。今現在、ボーカロイド楽曲を手がけるいわゆる「ボカロP」の楽曲提供する曲がバズっているのだ。例えば、TikTokで話題になったナナヲアカリのチューリングラブ。この曲の楽曲提供は「惑星ループ」などの楽曲を作成したナユタン星人である。今回載せたイドラホリックという曲も、ボカロPや音楽家として活動しているツミキが楽曲提供しているのだ。しかし、ツミキが作成した曲を聴いていると、ツミキの曲の特徴は難しい語彙を華麗に操り、アップテンポなかっこいい曲調に乗せ叫びを訴えかける曲であり、一アイドルが歌うということはそう簡単ではない。しかし、そんな曲を違和感なく歌い上げ、自分たちの世界観として作り上げているのだ。それはめちゃくちゃ凄いことで、前に女は全員菅田将暉に恋してるけど音楽やるのはどうなの? - 煙草の煙が目に染みるの記事で書いた通り、あの菅田将暉でさえ、楽曲提供してくれたアーティストの歌声に寄って行ってしまう。それを自分の世界観として表現していることは、並大抵のセンスと歌唱力がないと無理。そんなセンスの塊のPayrin'sというアイドル、聴いてみてみませんか?

 

星歴13夜

Baby baby Cupid / 星歴13夜

 

前このブログでも取り上げた(ぜんぶ君のせいだ。「Natural Born Independent/ロマンスセクト」発売初日試聴レポ - 煙草の煙が目に染みる)、ぜんぶ君のせいだ。が所属するレーベル、コドモメンタルINC.に所属する星歴13夜というグループ。メンバーそれぞれに担当の星座が用意されているほか、パジャマをモチーフにした衣装など、“夜”をコンセプトにしたファンタジー調のビジュアルイメージで活動している。

電子音を基調としたいわゆるピコピコサウンドやパラパラのような曲調に、彼女たちが持つ甘い歌声がMVだけでも聴き取れるだろう。このグループの特徴は、グループ5人のメンバー誰かが際立つということではなく、歌声が調和しているということ。昔からあるアイドルの文化として、「センター」という立ち位置があるのだが、コドモメンタルINC.のグループにそれは無く、皆が協力して一曲を歌い上げている感覚がするのだ。もちろん、ぜんぶ君のせいだ。というグループにも、リーダーという立ち位置がいるが、際立ってセンターを張るということはない。それがこのグループの良い点であり、魅力に感じてしまうのだ。

 

おわりに

今回あえてなんですけど、このメンバーが可愛い!とか、このメンバーの情報は〜とか一切書いてません。このブログの記事のコンセプトとして、「バンドマンが馬鹿にしていたアイドルソングはもう音楽業界を突っ走ってるからバンドマンはこれ聴いて卒倒して首を吊れ」なので、曲そのものだけでも評価できるアイドルソングを選んだつもりです。実際よくある可愛くて元気でキャピキャピしてるアイドルソングも多数あるので、それはまた今度。わかったか、バンドマン。早くアイドルソングを聴いて頸動脈切れ。

それではまた。

 

 

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