俺の知らないところで"King Gnu"が流行っている
世の中というものには流行り廃りというものがありまして、ってこれ落語じゃないんだけど、音楽業界にもやっぱり流行り廃りってのが存在するわけであります。大体流行ってね、自分がこの流行というビッグウェーブに乗るぜってなった時にはもう下火になっていることが多いんです。いやあのね、特に俺が流行に乗り遅れているおじさんって訳じゃなくてさ、流行ってのは口コミが口コミを呼んで広がるものだから、自分が口コミを聞いた頃には「皆もうそれ知ってるぜ!」状態。だから俺の周りが悪いんです。もっと早く口コミしてこい。俺は悪くない。
んで本題なんですけど、Yogee New WavesとかSuchmosとかのシティポップめいた曲が大好きな奴からこんな口コミを聞いたんです。
「King Gnuが今ヤバイ」
いや、名前は聞いたことあるんだけどね、おじさんYogee New WavesとかSuchmosとかのオルタナシティポップみたいなジャンルってね、あんまり聞かないんですよ。いや前の記事のSuchmosとかのシティポップ、5周くらい回ってダサいんじゃないか - 煙草の煙が目に染みるでシティポップはポジティブな意味でダサいって話をしたばっかりなんですけどさ、そのルートを通ってない訳なんです、僕ね。だから敬遠してた。King Gnuを敬遠してた。そしたらば、あれやこれやと俺の知らないところでKing Gnuが流行っていた訳でございます。
Tokyo Randez-Vous / King Gnu
改めて聴いてみるとカッコよ。ヤバ。正直言うところがない。だってカッコいいんだもん。音楽性は歌メロは超がつくほどJ-pop的なんだけど、ビートなんかはかなりヒップホップ。本人たちは本人たちは「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と言っている。なんだそれ。まぁ確かにJ-popってくくりなんだけど、それだけじゃ収まらないこの音楽性と、このストリート感あるルックス。
ちょっと話変わりますけど、皆様知ってました?最近ヒップホップがキテるっていうこと。ヒップホップの流行りの兆しは数年前からあって、現状だと普段はロックっぽい曲をやっているバンドが曲単位でヒップホップを取り入れたりすることも結構多かったりするんです。前記事にしたポエトリーリーディングっていうのもその一つ。そしてその中で、King Gnuって今のヒップホップブームと邦楽ロックの架け橋になっている感じがするんです。さっきも言ったけども、King Gnuのビートなんかは完全にヒップホップ感があるんですけど、ちゃんとロックバンドとして成立してるところが凄い。そんなヒップホップと邦楽ロックのミックスした音楽をいち早く取り入れたのがKing Gnu。だからトーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル。うーん。わからんでもない。
Slumberland / King Gnu
俺、King Gnuすげえなって思うところが、サウンドも確かにそうなんだけど、MVのクオリティの高さ。サウンドの重厚さに負けない声、そしてそれにも負けない映像。基本的に少し暗い感じの、ちょっとアダルティーな感じのものというイメージを受けるが、これがまた楽曲にめちゃくちゃ合う。
漫画やら映画やら、何にしても最初の見出しというか、表紙ってものが良くないと流行らないんです。ていうかそもそも手に取ろうとしない。音楽は他のカルチャーととても相性が良いと思ってて、特に映像やらの組み合わせなんて良いに決まってる。音楽と映像で世界観を表現できるから。その中で、King GnuのMVは何としても曲のクオリティに負けてはいけないっていう感覚がして良いんですよ。良い例でいうとサカナクション。サカナクションの映像やライブの演出はエグい。そんな第2のサカナクションって言い方は良くないけども、そんな風に俺は感じてしまう。
さぁ、今夜Mステにまで出てしまうKing Gnu。パフォーマンス云々も多分レベルの高いものになるんだろうけど、もうそのライブを生で聴ける機会なんていうのはチケット争奪戦になって難しい。そんな今後勢いが続いていきそうなKing Gnu。目を離したらいけない。