煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

WHITE ASHののび太って今何してんの?って思った話 "THE LITTLE BLACK"

 

のび太。こいつのイメージってどんなの?って言えば「青丸狸のバーター」だとか「猫型ロボットの承認欲求満たすマン」みたいに思うだろうけども、知ってる人は知ってる。WHITE ASHっていうバンドのフロントマン、のび太。ふざけた名前しやがって……って最初思ったよ。「似てるからのび太ってwww」「話題性だけで売れようとしてんなよwww」みたいな。ちなみにベースはしずかちゃんじゃない。でも、曲聴いてみると、こいつらヤバかったんです。

 

Stranger / WHITE ASH

 

のび太とかふざけんじゃねえよ」とか言ってる奴をぶち殺した。英詞を歌いこなすのび太。こののび太、「自分の歌声が好き」て言ってたらしく、普通ののび太だったら何言ってんだって青狸にディスられてる。

そう、そこなんですよ。商業戦略としてのミソ。

のび太のくせにめっちゃ歌上手い」

っていう心の中のジャイアンが刺激されて口コミが口コミを生んでメジャーデビューしてしまった。実際その商業戦略ってのは大成功で、所謂マンウィズの狼の被り物だったり、女王蜂のジュリ扇振り回した姿だったり、米津玄師のダンスだったり。同じ様なもんなんですよ。売れている音楽って楽曲以外にも何かしらのアピールポイントってのがあるもんなんです。WHITE ASHの場合は「のび太がヤバイ」だった話。

それ込みでも、ジャギジャギのシングルコイルサウンドナンバーガール以降の邦楽のそれだし、手数の多いドラムは丁度2010年代の流行りで、のび太独特の歌声、それらが既存の流行り・売れ線とは違う新しい音楽性を生み出してて、こん時聴いてた俺は「あ、売れるわこいつら」って確信してた。

 

でもメジャーデビューしてから人気が減退した気がするんです。洋楽成分が増えたとか、打ち込み音楽の要素を取り入れたりとか、色んな試しをやってみたけど、若年ファン層を取り込められなかったーーーーみたいなことが色んな記事で書かれているけども、確かにその通りなんだと思う。元々ナンバーガール直結の邦楽を混ぜ込みつつ若年層をファンに取り込みメジャーに現れてきたのに、急に洋楽っぽい音楽をしてきたら確かにファンは手放してしまう、みたいな気持ちは分からなくはない。

そして解散したのが2017年、惜しいバンドを無くしたな、邦楽界。なんて思ってしまったのである。

 

はい、そして2019年になりました。明けましておめでとうございます。ふと「WHITE ASHののび太って今何やってんだ?顔に合ってる公務員でもしてんのか?」なんて思ったわけですが、新しいバンドを始めていました。名前をTHE LITTLE BLACK。

 

ドロミズ / THE LITTLE BLACK

 

いやあのね、洋楽っぽさを敬遠して離れたファンがこれを見てたら是非聴いてほしい。俺は比較するのが何か鼻につくけども、初期、メジャーデビューする前のWHITE ASHの感覚なんです。のび太のやりたいことやってる感覚。確かに洋楽っぽさは残ってるけども、ジャギジャギのシングルコイルサウンドは継続してるし、何より単純に楽曲のクオリティがエゲツない。イントロからサビまでの流れも、邦楽らしくちゃんとサビで音程を跳ね上げシンバルを殴り盛り上がりをつくってはいるが、わざとらしくBメロで落としたりはせず山が突然やってくる。本当にメジャーデビューする前のWHITE ASHと、メジャーデビュー後の洋楽感を合わせた感じ。良いとこどりをしてる。

 

個人的に、WHITE ASHが解散してから「あんなかっこいいボーカルが消えたりしたらもったいないなあ」と思ってたんだけどちゃんと活動してて安心してる。

始動したばかりのTHE LITTLE BLACK、目を離してはいけない。

 

THE LITTLE BLACK

THE LITTLE BLACK