煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

アイドル化した邦楽ロックをブチ殺すtetoというバンド

 

邦楽ロックは何故アイドル化してると言われているのか? - 煙草の煙が目に染みるで書いた通り、最近の邦楽ロックってのはマジでアイドル化して、マジで面白さが感じられない。いや、今の邦楽ロックシーンが好きですって人の気持ちは凄い分かるんですよ。透明感のある歌声とソリッドな演奏。いわゆるあれだ、わかりやすい例で言うと川谷絵音Indigo la Endの系譜。喉を絞って低音を切った歌い方のボーカルたち。ちなみにこれを絵音沼と呼んだり、おいしくるメロンパンのナカシマ沼って呼んでる。いや勝手に。でもこういうの好きだろ?最近の女たちは?はっきり言わせて貰うとだな、今の邦楽ロックシーンが大好きな女共は98割こんなバンドを求めてるのに対して、俺たちみたいなちょっと性根が曲がったようなロックを聴いているおじさんたちには全くウケない。ピクリとも来ないんだよ。

あと全く面白く感じない原因はなんだろうな〜〜〜〜なんてTwitterの「#邦楽ロック好きと繋がりたい」やら「#日曜日だから邦ロック好きと繋がりたい」みたいなタグを今風邪になっているから寝ながら鼻ほじって見ていたんだけど、若いバンドたちが全く出てきていないことだと感じるんです。大体のところ、クリープハイプやらヤバTやらマイヘアやらフォーリミやら……。3年前くらいにもこんなの見たぞっていうのが大半を占めてるんです。それこそアジカン君繋ファイブエムとかBUMPのjupiterなんか聴いていた世代なんでアラサーですよ。時代が立つのはめちゃくちゃ早い。だって64で遊んでいた時なんて1996年くらいですよ?22〜3年前ですよ?ヤバくない?

で、なんでこんなにライブキッズやら日曜日タグやらをやっている奴らに新しいバンドがウケないのか。それは多分、3〜4年前にライブキッズにハマったバンドたちが、キチンとそのライブキッズ共に合わせるようにしているからなんだと思いますよ。例を出すのも失礼かもだけれど、ヤバイTシャツ屋さんなんて、その層にドンピシャにハマったから最近売れているわけじゃないですか。今の邦楽ロック界は音楽性より「どれだけ聴いている側が楽しめるか」っていうアイドル的な理論に基づいたものだと解釈しているんですけど、そういうバンドたちはそのことを理解しているのかどうか分からないけど、ガッチリそれを掴んでいるんです。

 

とまぁ、愚痴やら音楽界やらの批評やらを描きたかった訳じゃなくて、そんなアイドル邦楽界をぶっ壊すようなバンドが少しずつ売れ始めてるように感じるんです。

 

36.4 / teto

 

はい、tetoってバンドでございます。

2016年1月、ボーカルギターの小池貞利を中心に山崎陸(Gt)、佐藤健一郎(Ba)らとtetoを結成。
同年10月、自主音源となるファーストEP「Pain Pain Pain」を発売(現在廃盤)。
同年12月、福田裕介がドラマーとして正式加入し、現編成となる。
2017年6月、Helsinki Lambda Clubとのスプリットシングル「split」を発売。
2017年8月、ファーストミニアルバム「dystopia」を発売。8月度のタワレコメンに選出される。
同年11月から<teto tour 2017「dystoipia」>を開催。全公演チケットは即日完売。
2018年3月、ファーストシングル「忘れた」を発売。
同年4月から全国9か所を廻る「teto <60分2,800円ツアー>」を開催。
昨年のツアーにつづき、各地チケットは入手困難を極める。
同年7月からバンド初のワンマンツアー「始発」を開催。チケットはファイナルの渋谷WWW Xを含めた全4会場全て即日完売。
今夏、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」や「RUSH BALL 2018」をはじめ、全国の大型野外イベントに多数出演予定。
同年9月26日にファーストフルアルバム「手」の発売が決定。
9月30日の千葉LOOKを皮切りに、ファイナル恵比寿LIQUIDROOMまで、全22本の全国ツアー、teto ツアー2018「結んで開いて」を開催する。

 

とまぁ、経歴はこんな感じなんですが、よくよく考えてみると、2016年に結成して、その2年後にはROCK INやらに出演してて、WWWやらLIQUIDなんかも埋めちゃったりしてる。はっきり言って勢いがヤバイ。なんでこんなヤバイ勢いかっていうと、多分俺たちみたいな性根が少し曲がったような奴らに対して、めちゃくちゃ刺さってるからなんだと思います。変にファンに媚びず、自分たちの音楽を貫いている感がヤバイ。簡単にいうとヤバTと真逆の音楽商業性。正直言って、俺、ギターの技術とか何か一切知らない。ここであーしてるから凄い、とか一切知らない。でもそれを抜きにして、「自分たちがやりたいこと、やってみたいんだってこと」を表現してる感覚がする。tetoの曲聴いてると。だからカッケーって思うんだと感じています。

 

Pain Pain Pain / teto

 

いや、もちろんサウンドも素晴らしいんですよ。口ずさめるメロディーと、ノイズを聴かせまくった荒いギターサウンド。洋楽ロックと邦楽ロック、それぞれのロックミュージックの良いところをきちんと継承したうえで、衝動的なパフォーマンスをするものだから、新しいのにノスタルジーも感じさせているんだと思います。音楽に対しての「新しさ」ってのは結局のところ、そのサウンドとパフォーマンスの組み合わせって感じになると思うんだけど、tetoってまさにそんな「新しさ」を感じる。tetoと似てるバンドっている?って聞かれた時に、俺はいないって答える。それが本当の新しさだし、売れ始めている要因の一つだと感じている。

 

そんな新しさってのはメロディーにもボーカルにも現れている。36.4やPain Pain Painって曲でも、Aメロは言葉をたくさん詰め込んで、早口でまくし立てるように展開して、サビでは絶叫するかの如く、それで哀愁を感じさせるような、そんな歌声とメロディーで構成されている。しかも疾走感は損なわれていない。いや、自分で書いてて褒めちぎってんな。そんだけ期待できるバンドだし、凄えバンドだと思う。

1番最初に言った絵音沼だったり、ナカシマ沼だったりな歌声じゃなくて、「表現する」ってことに特化したボーカルなんじゃねえかなって俺は思うんだよね。さっきも言ったけどAメロでは口でまくし立てて、サビでは絶叫するかの如く歌っているんだけど、ちゃんとその歌声の表現の対比というか、そういうのが出てるボーカル。だからエモって部分が現れてるように感じるし、表現力がエゲツないなって感じてしまうんですよ。はい。

 

どうです?tetoってバンドどうですか?今後もっと売れてくるバンドだとは思うんですけど、そのファンに媚びずに自分の表現したいことを真っ直ぐに歌として届けてください。

 

以上。また何かあればよろしく。

 

手