煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

étéの歌声は「世界観」という3文字で終えていいのか

 

こんなブログを始めて2ヶ月くらい経ちましてね、沢山の人からいいねや読者登録を貰っている訳なんですよ。で、2ヶ月ブログを書く生活を続けていますと、こんなことを感じるわけなんです。

 

「最近の邦楽ロックシーンは面白くないし飽きた」

 

いやあのね、飽きたって言っても鬱病になって全ての関心を無くしてしまったり、記事を書くことに飽きてしまった訳ではないんです。ただ、今の邦楽ロックシーンに飽きてしまった。今の邦楽ロックシーンを遠目で見てください?ほら、マイヘアのパクリバンドしかいないじゃないですか。ブラジャーのホック外してそうなバンドしかないじゃないですか。もう飽き飽きなんです。

僕ね、記事に出来そうなバンドないかな〜〜〜〜なんてyoutubeTwitterをぐるぐる回って探し回っているんですけど、本当にいいバンドがいなくて気が狂いそうになる。音楽雑誌が激推ししてるアイデンティティのないバンドに対しても「独自の世界観で〜〜〜〜」なんて音楽雑誌は書きやがる。みんな違って、みんないいね。なんて話にはならないんです。僕は心が狭いんですか?音楽雑誌の書く「世界観」を俺たちは認めていいんですか?

 

って訳で、世界観世界観っていうワードうるせえなって感じなんですけど、ちょっと皆様の時間をお借りして、聴いてもらいたいバンドがあるんです。はいドン。

 

DAWN / été

 

étéというバンドでございます。多分ね、初めてこのバンドの曲聴いた人、一回一時停止したと思うんです。そんな貴方は正しい。歌声が完全に女じゃねえの?って思っちゃう?いや、めちゃくちゃ簡単に言うと、生理的に気持ち悪さを感じたか、切なさを感じたか。確実にどっちかです。僕は初めて聞いた時、生理的に気持ち悪いと感じました。こんなこと言ったら本人に見られた時に土下座だな、がはは!

 

問題はですね、この歌声を俺たち世間は「世界観がいいね!」なんて言いがちなところなんです。分かりやすく言うと、クリープハイプと同じような感覚。クリープハイプも昔初めて聴いた時は蕁麻疹出るほど生理的に気持ち悪いと感じました。でもね、それがハマってしまうんです。この現象を「世界観」にハマる、という3文字に収めていいのかってことなんです。

 

この世界観ってワード、語彙力が死んでも使えるワードなんです。このね、ボーカルの歌声だけじゃなくて、可愛らしい顔立ちと、黒髪、萌え袖、撫で肩、世の中に満足しない目つき。そして女関係がだらしなさそうな感じ。音楽性も、変拍子を混ぜた後のサビの開放感、ポエトリーな歌詞。それらを総合して、「世界観」。つまんなくないですか?そんなワードを使用してしまうのは?

 

I am / été

 

歌声に注目されがちなんですけど、すげー緻密に作られいるんです。これスリーピースのバンドなのか?ってくらい。こんなサウンド、3人の演奏技術がしっかりしてないと作れない。あとサウンドエンジニアすごい立体的にミックスされてて、めちゃくちゃ大人の匂いを感じます。

 

新しいアルバム「Apathy」も聴きましたよ。僕的にこのバンドのいいところって、生のギターサウンドでポエトリーな歌詞を当てることで生まれるグルーヴ的な感覚だって感じてるんですけど、今回そういう曲ばかりじゃなくて、ピアノサウンドバックで音を削ぎ落とした曲なんかもあって、いろんな可能性を見出せた感じがします。でも、僕はこの感覚を「唯一無二の世界観」なんかというチープなワードで表現してはいけないと思う。

 

初めの歌声が生理的に気持ち悪いって感覚も、さっき書いた色々な可能性を見出せた部分も、簡単に言っちゃえば「非日常」の感覚なんです、étéのサウンドっていうのは。普段見出せていないものから生まれるサウンドってまた聴きたくなりませんか?前に例に出したクリープハイプサウンドなんかは、はっきりと言ったら聴き慣れたサウンドに変わってしまったんです。でも売れ続けている。それは多分、チープなワードで表現する「世界観」にハマるから。étéもそんなバンドの1つだと思うんです。勝手に。俺の語彙力じゃその「世界観」について語り尽くせないんだけども、サウンドを聴いてみるのが1番分かりやすい。どうです?皆様?共有しませんか?漠然とした「世界観」という広すぎるワードに。

 

Apathy

Apathy