煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

The Strypesの活動休止を最近知ったから改めて魅力を語る

 

俺ね、洋楽ロックってのはあまり聴かないんです。聴いてる洋楽ロックなんて言ったら、Red Hot Chili PeppersNirvanaFoo FightersThe Offspringとか有名どころばっかり。多分皆様も聴いたことあるんじゃねえのかな。そんで、あと1組、一度Mステで度肝抜かれたバンドが居ましてね。それが「The Strypes」ってバンドなんですよ。

 

Blue Collar Jane / The Strypes

 

Hometown Girls / The Strypes

 

いやあのね、こん時のThe Strypesの鳴り物入り感はヤバかった。色んな所で「何だこいつらは」みたいな感じで大騒ぎ。その要因として、デビューが2013年なんだけど、デビューシングルのBlue Collar Janeって曲の時15〜6歳っていう。バケモンでしょ。俺たちが15〜6歳の時なんてなにしてたよ。昼休みの30分でサッカーとかバスケしようぜって遊びまくって授業中にモンハンとかしてたろ?PSPが「シャーwww」って鳴るからそれを先生にバレないように隠しながらモンハンしてたろ?あれ、絶対バレてるからな。

 

んで一応こいつらの経歴を。

アイルランドで2008年結成、2012年4月にインディーズEP「Young gifted & Blues」を発表し、iTunesのブルース部門で1位を獲得、その後6週間にわたり順位を維持。エルトン・ジョンは「彼らは、私が65年かかって集めたR&Bとブルースの知識を16才にして獲得している。まるで新鮮な息吹のようだ。」と評した。2013年3月28日、デビューシングルBlue Collar Janeを発表。iTunesオルタナティブ部門で最高11位を獲得。2013年9月9日、クリス・トーマスをプロデューサーに迎えてデビューアルバムSnapshotをリリース。

出典:wikipedia

 

あのエルトン・ジョンにここまで言わせる15〜6歳の奴ら。ヤバイ。んでもって英国のみならず、世界的な音楽ファンを魅了した。日本でも2017年にフジロックに出演している。なんでじゃあThe Strypesはここまで世界中の音楽ファンを魅了したのか?いろんなブログとかレポートとか見てるけど、ちゃんとした魅力って書かれてないんです。日本ではThee michelle gun elephantと似ている!とか書かれていたり、1960年の音楽を若い奴らがやっていてヤバイとか書かれていたり。いや気持ちは凄い分かる。でも本当のThe Strypesの魅力ってのは、凄い簡単に言うと、

「アホだから」

なんです。アホってか馬鹿。頭が良くない。

そもそも論としてだ、その時の英国なんてのは、モダンなR&Bとかが流行っていたし、それこそ15〜6歳の若者なんか、そっち方面の音楽に手を出していりゃ、若さや才能で売れている。でも、そんな時代に完全なロックンロールをやろうとしたんですよ。それで時代に取り残されたおっさん共に「60年代の音楽の再来だ!」なんて付きまとわれる。商業的に考えて頭が良くないとしか言いようがない。しかも、The Strypesの場合15〜6歳のガキ。ガキはどこまで行ってもガキなんですよ。ロックンロールの世界ではおっさん達が「世界を変えようぜ」なんて歌を作ったとしても、15〜6歳のガキが作った音楽には敵わないわけです。それが理というもの。ロックンロールというもの。つまり、ガキでアホだからヤバイ。そういうことなんです。

そもそも論として、ドクター・フィールグッドチャック・ベリー、ボ・ディドリー、ヤードバーズザ・ローリング・ストーンズから影響を受けて……なんて公式サイトでは書かれてるけど、正直言ってその時点でアホ。今の中学生がThee michelle gun elephantに影響されてロックンロールをやり始めました!なんていう奴いないだろ?でもそこがいいんだよ。最初の1stアルバムはその影響されたバンドのオマージュで固められてたし、2ndアルバムでは俺の好きな「Eighty-four」とか「Queen of the Half Crown」みたいな、「10代のアホが60年代の古臭い音楽をかき鳴らしている」というアイデンティティも持ち合わせていて、めちゃくちゃ良かったと思ってる。3rdアルバムにもなってくると、歳をとるにつれて、そのアイデンティティは徐々に失われていく。それで限界を感じてきたから活動休止に至ったんじゃないのかな、って俺は勝手に思ってる。

 

しかしだ。解散を発表した文面も頭が悪いと感じざるを得ないんです。日本語訳したものですが、

この7年間、僕たちはトイレや劇場やカフェや城で、スコッツハウスや東京で演奏してきた。

ベッドルームやバスや飛行機や、電車や車で過ごしてきた。

テレビに出たり、ラジオに出たり、レコードを作ったりした。

楽しくて、面白くて、ダルくて、危なくて、楽勝で、厳しくて、苛立たしくて、やりがいがあって、素晴らしかった。人生があって、生活があった。

でも僕たちはザ・ストライプスを終わらせることにしたよ。

みんなありがとう。

次のアニメで会おう!

ロス、ジョシュ、ピート、エヴ

ね。アホでしょこいつら。普通なら「メンバーの都合により、残念ではございますが……」みたいな文章になる。前のブログの【短記】推しは推せる時に推せ - 煙草の煙が目に染みるにも書いたんだけど、突然の出来事に対してファンに謝罪もなく、ありがとな!なんて言葉で締めようとする。前向き通り越して超前向き。多分こいつらはアホだから、これからもずっとロックンロールを続けるはずだし、いや、続けて欲しいと感じている。15〜6歳の時のあの勢いは既になくとも、こいつらには期待しか持てない。俺にとってはそんなバンドだった。

 

こちらこそありがとな、お前らの音楽は最高だったと感じてるよ。

 

以上。また何かあればよろしく。

 

リトル・ヴィクトリーズ

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