煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

eastern youthは何故売れない

 

僕、こう見えてもめちゃくちゃ音楽っていうものが大好きなんですよ。え?知ってる?いや、そんなことはまぁ関係ない。そんなんだから、友人とかに「最近いいバンド知ってる?」なんて聞かれたりするのだ。いいバンドってなんだよ。ざっくりしすぎ。女が言う「甘いもの食べたい〜〜〜〜」くらいざっくりしすぎ。お前は幸せのパンケーキ食っとけ。めちゃくちゃ美味いぞアレ。

んで、そんなことを聞いてきた友人に色々聞かせていたら、「もっとハイトーンボイスでボーカルがイケメンで……フォーリミみたいなさ……」なんて言われたことがある。ほら出たよ。GENに魅了された女。いや気持ちはわかる。GENカッコイイし、歌上手いし、イケメンだし。そりゃライブキッズやその辺のパンケーキ大好きナオンにはモテるだろうな。

 

とは言えだ。今現在大衆に認知されている、売れていると感じさせられるバンドなんBUMP、RAD、クリープハイプゲスの極み乙女。がギリギリなんじゃないかな。もしかしたら「米津玄師!」とか「星野源!」なんて言われるかもしれない。そいつらは一般成人男性だ。

ていうかそもそも論としてだ、売れるっていうことはどういうことなんだろうか。様々なバンドやらアーティストやらが年に2〜3枚シングルやらアルバムを出し、大衆に認知されていくっていうのはどういうプロセスなんだろうか。まず、CDを買おうとする人間の心理ってのは「視聴してかっこよかった」とか、「歌詞がよかった」とかなんだと思うけども、それが少数じゃなく大多数の人間に対してそう思わせてCDを買わせ、認知されていく。これが売れるってことなんだと思う。

 

しかしだ、俺にとって疑問なのは、大多数の人間にカッコいいと思わせているのに対して、あまり日の目を浴びないバンドが1つあるということだ。それが「eastern youth」というバンドなのだ。

 

夏の日の午後 / eastern youth

 

はい、ジャン。どうですか。この坊主と眼鏡のおっさんが掻き鳴らすギターは。このノスタルジーを感じさせられるハードコアは?最高じゃないですか?

eastern youthというバンドは、1988年北海道札幌市にて結成されてまして、bloodthirsty butchersとかと同時期のバンド。ナンバーガールの最後の札幌のペニーレーンのライブで影響受けたバンドとして向井秀徳から名前が挙がったバンドでもある。向井秀徳って知らない人いるかもだけど、この人現代のオルタナロックの基礎を作ったって感じの凄い人。椎名林檎との「神様、仏様」で「繰り返される諸行は無常」とか歌ってた凄い人。YUIの「CHE.R.RY」をカバーして「ヴァッパッヴァラッwww」とか歌ってた凄い人。あと山下達郎とかからも好きなバンドとして記事にされてる。

 

俺からの視点なんだけど、凄い日本的なバンドだと思うの。日本語ならではの情景描写の歌詞やメロディー、それに対してノスタルジーを感じさせられるような感覚。

 

「真夏の太陽は 罪を溶かして 見えないが確かに 背中にそれを焼き付ける」

 

「蝉時雨と午後の光 まだ生きて果てぬこの身なら罪も悪も我と共に在りて」

 

天才じゃないですか?「夏」という単語を使わずにこれほどまでの情景描写と寂しさというか、本当に夏の日の午後のあの感覚を表現している。マジで凄い。

あと、どっかのブログで「歌謡曲とロックの融合」ってレビューを見てなるほどなって感じたんだよ。いやすげえ分かるんだよ。日本的って言っても分かりづらいし、この表現が何か1番しっくりくる。しかもこの曲、1998年の曲ですよ?21年前の曲ですよ?ヤバくない?語彙力が急に欠如したけどヤバくない?もし高校に「ロック」の授業があったら確実に歴史として載せて欲しいレベルの曲です。この曲が入っているアルバム、「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」は最高のアルバムなので皆様聴いてください。

 

街の底 / eastern youth

 

さあそして、結成27年目を迎え、16枚目のアルバムの「ボトムオブザワールド」からの一曲。

なんていうのかな、「街」にVo.吉野がいるのではなく、「街の底」にいる。それでも俺たちは生きてる、生きてるからこそ、これからも生き抜いていこう。そんな風に俺は感じれた。すげー単調な感想なんだけど、そもそもロックってのはこんな細かいレビューなんか必要ないんじゃないかって思えてしまうんですよ。この曲聴いてると。ただ生きて、生きて、自由に生き抜く。そんなメッセージに対して、あーだこーだ俺が批評したって意味がない。そんな一曲に感じてしまう。

 

んで本題だよ。なんでこんなバンドが売れないのか?という話になってくるわけだ。そこで邦楽ロックは何故アイドル化してると言われているのか? - 煙草の煙が目に染みるの記事になるわけです。邦楽音楽のアイドル化。ボーカル見てくださいよ。ハゲ眼鏡ですよ?まぁサブカル女子なんかはピクリともしませんわ。もしボーカルが金髪マッシュだったらまだワンチャンあったのかもしれない。でもな、俺のこのアイドル化の話が本当だとしたら、どれだけの素晴らしい音楽が埋もれているかも分からない。本質を見失った邦楽音楽界はどうしていけばいいのか?このまま才能を埋めるべきなのか?それは俺個人が決めることではないし、大衆の意見が決めること。だから俺は大衆に向けて、警笛を鳴らす意味でこの記事を書いている。素晴らしい音楽が、皆様の耳に届くように。

 

ちなみに、今度「いいバンド知ってる?」って聞いたサブカル女子にはeastern youthを激推ししたいと思います。

以上。また何かあればよろしく。

 

 

ボトムオブザワールド

ボトムオブザワールド