煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

BUMP OF CHICKENを聴かなくなってしまった人間を"アカシア"で出戻りさせている

BUMP OF CHICKENを聴かなくなってしまった人間。つまり俺です。

 

音楽の趣味っていうのは大きく年齢に左右されるものなんだけど、BUMPって何故か老若男女皆好きなんですよ。そんな中でも、今30歳前後の人間からしたらBUMPは青春そのものだった。前ブログで書いたんですけど、「音楽=記憶」であるって俺の持論があって、その時ハマっていた音楽を聴けば、その時聴いていた時の通学のとき自転車に乗って駆け上がった公園の風景とかが思い浮かんでくる、なんて思ってる。

僕地元が北海道の田舎なんですけど、高校の時に札幌でBUMPのライブがあるってことで、高速バスに5〜6時間乗って友達4人で札幌まで行ってBUMPのライブに行ったことがある。今思うとよく親許してくれたなって思うけど、それが俺たちBUMPが青春たる所以なのだ。

俺たち(今年で25歳なんですけど)の世代では、COSMONAUTっていうアルバムが絶頂期で、親からお小遣いをめちゃくちゃ前借りして買ったのをよく覚えている。それをWALKMANに入れて聴いてたので、色々な人たちから「そのCD貸してよ」なんて言われて貸しまくったらケースはボロボロ、CDには穴開きました。はい。

 

R.I.P.BUMP OF CHICKEN

 

そんな青春そのもの、BUMP OF CHICKEN。何で聴かなくなった?って冷静に考えたんですけど、人間何かを10年、20年と続ければ、当然何度かは方向転換があるものだし、しかしその行く先は必ずしもファンの思惑通り、とはいかない。前書いたブログで書いた(凛として時雨ヤバイよねってyoutube見せられたらTKのソロ曲だった話 - 煙草の煙が目に染みる)凛として時雨なんかは、一切方向性を変えずに、逆にさらにジャキジャキになりつつ進化をしているが、これは稀有な例。

 

アルエ / BUMP OF CHICKEN

 

初期のBUMPの曲、例えばflame vein+1っていうアルバムの中の曲を聴いていると、はっきり言ってお世辞でも演奏は上手くない。しかも、パワーコードぶっぱなすだけの本当にシンプルな曲だし、目新しさはもう感じない。でも俺たち青春をBUMPに費やした人間からすれば、逆にそれがいいのだ。脳が退化する。実際、これが20年前の映像と曲だと言われりゃ驚くけども、今の邦楽ロックシーンにポンと入れてみりゃ、注目度なんかあまり高くならないんじゃねえかなって思う。いまいち物足りない感じ。

でも、その8年後かにorbital periodを出したあたりから演奏技術やら楽曲がまとまってきた感覚がして、それからBUMPにもっと火がついたような感じがする。多分、「昔のBUMPは良かったよなぁ」みたいに言う自称音楽通の軽音サークルにいるキノコ頭ブサイクは、この頃を指しているんじゃねえかなって思う。そういう先輩いませんでした?

そしてBUMPはorbital periodを出した7年後、こうなりました。

 

ray / BUMP OF CHICKEN

 

初音ミクとコラボしやがりました。初音ミクに魂を売りやがりました。ほとんど打ち込み音楽のような楽曲を作りやがりました。あの時のバンドという音楽を貫いてきたBUMPさんはどこ行ったんですか?

いやあのね、他のブログでも言われてることなんですけど、1人でもこの音楽を届けてやりたい、という結果なんだと思う。この曲出した2014年のボカロシーンで言うと、DECO*27がストリーミングハート、40mpが恋愛裁判を投稿したりと、まだまだボカロシーンは絶頂期は過ぎたものの、まだまだ下火にならずに続いていた。その時のBUMPと初音ミクのコラボ、完全に初音ミクやボカロ好きなファンを取り入りたいという結果であると感じている。ボカロが入っていることで、ボカロ支持層がこの曲を聴き、『意外と悪くないかも。』と感じたやつらが遡ってBUMPを聴く。実際、現状rayの再生回数は1532万回再生されていて、その目論見というか、プロモーションは大成功しているのだ。しかし、このスタンスの大きな変更はファンを増やすと同時に、「BUMPは変わった」と言って離れたファンも多いんじゃないかな、なんて思うのである。そんな人間が俺。あれ、BUMP何か違うじゃん、と。ヤバい。このままだと自称音楽通の軽音サークルにいるキノコ頭ブサイク(歌全然上手くない)になってしまう。ヤバい。

 

そんな時を過ごしながらこれまで生きてきた訳なんですけど、およそ2ヶ月前、ヤバい動画がアップロードされたんです。

 

アカシア / BUMP OF CHICKEN

 

なんとポケモンとコラボしやがりました。BUMPを青春としていた30歳前後の奴らを完全に打ち砕きました。いやあのね、スケルトン仕様のゲームボーイカラーポケモンクリスタルをプレイしていた奴ら、絶対BUMP通ってます。これマジです。この企画、BUMP側から「ポケモンとコラボしたいです」って言ったのか、ポケモン側から「BUMPとコラボしたいです」って言ったのかわかんないんですけど、このプロモーション、完全に成功してます。ポケモンとコラボすることでBUMPを聴かなくなってしまった奴らを呼び戻せたし、ポケモン剣盾をプレイしているナウなヤングも「動画見てみよ」とBUMPを知ることが出来る。しかも、MVのアニメーション監督はテレビアニメ「血界戦線」を手かげた松本理恵が務めており、そっちの線からも動画の視聴を促すことが出来る。完全にこれ、BUMPの策略にハマっています。皆様気づいてましたか?もう泥沼にハマってますよ?

でも正直言って、昔のBUMPの曲ではない。今のBUMPの曲調だ。ベースメントタイムズのBUMP OF CHICKENのファン、総入れ替わりしてない? - BASEMENT-TIMESっていう記事で書かれている通り、確かにBUMPのファンは総入れ替えしている。これは確か。しかし、今回のアカシアのポケモンコラボPVで元々いたファンも入れ替わったファンも新規ファンも全て取り込んでいるように見えるのだ。

 

何で今こんな記事?2ヶ月前に書けば良かったじゃん?なんて思う人。それは俺のミスです。申し訳ない。しかし、今回この記事を書こうと思ったのは、3日前に投稿されたPV、「新世界」があまりにも良かったからである。

 

新世界 / BUMP OF CHICKEN

 

「新世界」は、ロッテ創業70周年記念スペシャル・アニメーション「ベイビーアイラブユーだぜ」のために書き下ろし制作された楽曲。企画・プロデュースは、BUMPとの数々のコラボでもお馴染みの川村元気。監督・絵コンテ・演出・音響監督はアカシアも手掛けた松本理恵、キャラクターデザイン・作画監督は林祐己、アニメーション制作はボンズという強力な布陣で作られたアニメーションがまずあまりにも素晴らしい。

ロッテのPVといえば、真っ先に思い浮かぶのはEveの心予報。いやね、ロッテの人たちよ。何故上手くこうバズりそうなアーティストたちを起用するんだ。上手すぎない?

楽曲が素晴らしいのはもちろんのこと、それに合わせて制作するアニメーションがマッチしている。これが、BUMPの「ファンを逃さねえぞ」の策略だったりするとかしないとか。実際、YouTubeのコメント欄には「アカシアで初めてBUMPにハマって新世界も聴いてます!」みたいなコメントも様々。おい、作戦成功してんじゃねえかおい。

 

このブログも、ポケモンコラボPVみたいに見てくれる人が聴いたことがない音楽に触れる機会が増えればいいな、と思っています。何だこの締め方?あとBUMP最高です。

 

それでは。