煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

『緑酒 / 東京事変』で表現する希望論

皆様!今日も酒を飲んでいますか!

僕は最近「こだわり酒場のレモンサワー|サントリー」にハマってます。いやね、ずっとレモンサワーが好きで氷結ちゃん(22歳 アパレル店員 ロリ顔地雷系)を飲んでたんですけど「あれ?甘すぎね?糖質高えもんな…」という、まだ25歳にして糖の過剰摂取を気にするようになり、糖質ゼロのこだわり酒場のレモンサワーちゃん(28歳 OL 綺麗系でサバサバ)を嗜んだところ、見事にハマりました。え?浮気は許さない?じゃあここで、知り合いのイケメンが飲みながら言った台詞をご紹介します。

 

女を変えるのは許されない。

自分を信じてくれている女は裏切っちゃダメだ。

でもな。

酒と煙草は変えても良いんだよ。

 

いや、うん。こんな話をしたいんじゃなくてですね。今回は初のコラボ記事になります。今回はイツカさんの記事を引用して記事を書きたいと思います。

 

イツカ イツカ|作詞|ライター (@somedaytsuka) | Twitter

webライター兼作詞家。
言葉の意味を知って貰いたいという理由より活動開始。
言葉を読みたい | 世界に溢れる「言葉」すべてに意味があるにて歌詞解説記事を作成。

俺のAmazonKindleで出版中の小説『イマジナリー・イン・ザ・1K (イマジナリー・イン・ザ・1K (Cig Smoke Book Cafe) | まちゅ | 小説・文芸 | Kindleストア | Amazon)』の解説を書いてくれた優しいお方。

ポケモンと音楽が好き。
あと理屈っぽい男が大好き。
自称「マイルドなリョナラー

 

んで今回は【歌詞考察】東京事変「緑酒」フレーズをじっくり考察してみた | 言葉を読みたいの「緑酒 / 東京事変のフレーズをじっくり考察してみた」っていう題材で記事書きます。

あのさ、散々バンドをディスり、アイドルをディスり紹介していくって記事を書きまくってるこのブログで、真面目に歌詞考察していいのか?ってなりますが、関係ねえ。新しい層を取り入れていくんだ、このブログは。

 

緑酒 / 東京事変

 

いや、マジいい曲っすわ。

この言葉、絶対音楽ブログで言っちゃいけないセリフなんだけど、いや、マジいい曲。

東京事変の僕のイメージとしては、解散前は「独自的な楽曲でムーブメントを起こす」みたいな感じなんだけど、再結成後は「独自性を混ぜながら今のムーブメントに乗っかる」って感じなんすよ。だから歌詞的にも楽曲的にも違う感覚を持つ人が多いんじゃないかな、って思います。

 

で、今回の緑酒も、今の状況を交えながら書いた歌詞のような感覚を持ちます。現在の情勢による、自分の思うように行かない世の中への希望論。それを詳しく解説します。

 

まず緑酒ってなんすか?って話なんですけど、簡単に言うと「うめー酒」です。っていうのは散々色んなブログでも書かれてるんで、もっと詳しく。

これもちょくちょく書かれてるんですが「紅灯緑酒」という四字熟語があります。赤い灯のともる夜の街、それに付随してある酒気を帯びる人間、つまり「歓楽」です。この言葉は大体12世紀ごろの中国で誕生しました。

しかし、緑酒って言葉はもっと昔からあります。4〜5世紀ごろの中国の詩人、陶淵明って人が使ってます。ていうのも、この詩人、めちゃくちゃ酒好きで有名なんですよ。んでその時は「淥酒」って言葉を使ってました。淥って字は「水を濾す」とか「水が綺麗」って意味なんですけど、中国の湖南省を流れる川に淥水って川もそれ由来かなと。

これ完全に予想ですが、その「淥酒」を色彩に例えて「緑酒」と酒好き詩人おじさんは言ったんじゃないかなって思います。

この例えは日本的にも理にかなってて、緑って日本では「瑞々しさ」って意味を持っていました。そこから植物の色を緑、っていう様になったんですね。植物は「生命」「平和」の象徴です。つまり日本的に言えば緑酒は「安らぎを与える酒」ってことになります。つまりうめー酒。

 

この「平和」とか「安らぎ」っていうのは結局「今の状況よりも好転した状態」になるわけで、それの希望が歌詞に込められてるんじゃね?なんて深く思ってます。

 

で、これが歌詞。

乾杯日本の衆
今日は今日でまあ一つ
美味しいかどうかはさておきだ各種生業お疲れさん

小さな頃描いた将来大人は
列国の制度のめぼしき面
選んでは取り入れ最終形態を拵えた

気付いたら違っていたバトンタッチが済んで
自分らは扶養側へ責任を負う立場になった

時間がない金すらない
無い無い尽くしと言う増してどうしてこう心身消耗してんだっけ

乾杯日本の衆信じていたい遍く
全員善人でしょう疑念なぞ抱いても肝を突いちゃならん
大きな不安孕んだ正体憚る
膨満感に噦いてどこから嚥下できようか未だ皆目消化不良だ

気付いたら許していたお年召した御仁と
幼気な御子さん方は恥ずかしそうに黙ってんだ

ぺてんのない世の中を直ぐに作んなくちゃ
そう願わくばいっそ老いも若いも多弁であれ

自由よいいように搾取されないで安く売らないで

終始貴様は誇り高くあって頼むよ
自由フェイクじゃない元来の意味を見せて
騙るまじ腐るまじ追い続けていたい貴様をずっと

果たしても選ばれざる服従層と
知らん間に選ばれし支配層を結ぶ争点
自由という名の富
買い叩いて奪い合う尊厳

乾杯日本の衆いつか本当の味を
知って酔いたいから樹立しよう
簡素な真人間に救いある新型社会次世代へ

ただ真っ当に生きうと言い放てる時遂に祝う
その一口ぞ青々と

自由たる香 さぞ染み入る事だろう
伝う汗と涙が報われて欲しい皆の衆

自由よ愛している
もう遠去かんないで傍に抱き寄せて
終始貴様を尊び敬って求める自由
鳴呼どうしたって意識せざるを得ない
逃すまじ失くすまじ愛されてみたい貴様にやっと

 

では詳しく。

 

まず最初の

乾杯日本の衆
今日は今日でまあ一つ
美味しいかどうかはさておきだ各種生業お疲れさん

なんですけど、これ完全に「緑酒を飲んでいる」んじゃないんすよ。「緑酒だと思い込んで飲んでいる」んすよ。大学生特有の「ゼミの発表終わったからバー行ってテキーラ飲もうぜwww」的な。美味しい酒を飲むことが第一目的じゃない。お疲れさんって労うことが第一目的なんです。そんな状態。じゃあ何で?って話になるわけです。

 

小さな頃描いた将来大人は
列国の制度のめぼしき面
選んでは取り入れ最終形態を拵えた

気付いたら違っていたバトンタッチが済んで
自分らは扶養側へ責任を負う立場になった

時間がない金すらない
無い無い尽くしと言う増してどうしてこう心身消耗してんだっけ

多分、子供の頃描いていた大人っていうのはキラキラしてて、何でも出来て、憧れだった。で、時間もない金もない状態の大人になったら、完全に子供の頃とのギャップが生まれますよね。そりゃ心身消耗するわって感じです。だって子供のころの夢が実現出来てねえんだもん。

 

乾杯日本の衆信じていたい遍く
全員善人でしょう疑念なぞ抱いても肝を突いちゃならん
大きな不安孕んだ正体憚る
膨満感に噦いてどこから嚥下できようか未だ皆目消化不良だ

これも、子供の時に考えていた「みんなは、みんな、いいひと!」って考えが、大人になっても信じてるんですよ。でもその考えに疑念を抱いて、不安を孕む。多分そんな疑念が多すぎるぜベイベー!!!って意味で酒とかけて「嚥下できない」とか「消化不良」とか言ってるんだと思います。医療的な話になりますが、精神的な疲労を抱えた時って、消化器官に直接症状出やすいんですよ。ストレスで胃が痛い…とか言う奴いません?そんな感じです。今までの歌詞の登場人物「日本の衆」しか出てこないんですよ。つまり椎名林檎は日本人全員、何かしらの悩みを抱えている、と考えていると思います。他のブログとかイツカさんのブログだと「社会」への悩みにピンポイントを当ててますが、人間の悩みなんてそれだけじゃない。人間関係、将来の不安などなど。みんな、何かしらを抱えて生きているんです。はい。ちなみに僕の悩みは女の子の友達が地元にいないことです。大丈夫?LINE交換しとく?

 

気付いたら許していたお年召した御仁と
幼気な御子さん方は恥ずかしそうに黙ってんだ

ぺてんのない世の中を直ぐに作んなくちゃ
そう願わくばいっそ老いも若いも多弁であれ

もうその悩みから解放された、いや実際には解放してないけど受け入れたおじいちゃんおばあちゃん、小さい子供はその「悩みを口に出す」という行為をしません。黙ってるのは黙ってるんですが、単純に「悩みを話すことがないから」。でも多弁であってくれって言ってます。めっちゃ我儘じゃない?自分たちが悩みあるから、老人も子供も声を上げろ!って。ぺてんのない世の中は、そんな悩みのない世界なんすよ。実際、そんな世界作れない。でも作りたい。結局「希望」です。さっきも言った「今の状況よりも好転した状態」をみんなで声を上げて作ろうぜ!みたいな。それ、SEKAI NO OWARIさんがめっちゃ言ってます。

 

自由よいいように搾取されないで安く売らないで

終始貴様は誇り高くあって頼むよ
自由フェイクじゃない元来の意味を見せて
騙るまじ腐るまじ追い続けていたい貴様をずっと

はいサビ。サビで多分、そんな世界は無理です。ってことを悟ってます。自分じゃ作れないって悟ってます。だから貴様って第三者っていうか、多分自分以外の日本人全員っすね。日本人全員、そんな世界を作ってくれ。俺は無理だわ。その背中は追うけどね。って感じです。だから最初に「緑酒じゃねえ酒」を飲んでんのかな、って思います。理想を語ってるけど、その前にもう現実は分かってる。これ、僕の大好きな「Pellicule / 不可思議/wonderboy」に似てるんすよ。感じが。

 

 

理想を語って「いや俺たちは最初から格好良くなんてないしな」とかの諦めで片付けるリリック。これが人間なんですよ。人間、希望論だけじゃ生きていけない。何かを捨てなきゃいけない。1番大きな夢は捨ててはいけないって分かってんだけど、捨てる。それで諦める。1番人間味を感じますね。もしかしかしたらさぁ、緑酒じゃない酒って人間味がするんですかね。

 

果たしても選ばれざる服従層と
知らん間に選ばれし支配層を結ぶ争点
自由という名の富
買い叩いて奪い合う尊厳

これ、例えば会社って好きなことしたい人間が自分の好きなことをさせるために人間を雇うんですよ。社会と会社ってただ文字ひっくり返しただけじゃないっすか。表裏一体。全ての社会の縮図として会社が成り立ってるんですね。つまり、会社のように、社会もそんな構図が出来上がってるんです!っていう社会への反乱みたいなもんです。そもそも前の記事でも書きましたが、ロック音楽は元々ヒッピー文化で栄えました。椎名林檎、ロックです。

 

乾杯日本の衆いつか本当の味を
知って酔いたいから樹立しよう
簡素な真人間に救いある新型社会次世代へ

サビ前。その社会に反乱する者たちが新しい社会を作る、もしくはその者たちに救いのある新しい社会を作れば「自由は作れるんじゃね?」ってことです。人種差別とかは別ですよ?社会って結局上下関係が成り立って出来る概念です。それをフラットにした場合、メリットもあります。下の優秀な人が上に直接提案できるとか。でも、能力ない人間をフラットに見た時、それはどうなる?って話になります。今の学校教育とかだと「1番進みが遅い人に合わせようね」的な感じが出来上がりつつあるんですが、僕はそれは反対派です。能力別にクラス分けすればいい。それは差別とは言わないですが、何かしら分ける行為っていうのは必ず必要になる場面が必ずあります。

んで、これがややこしくて、乾杯日本の衆ってことは日本人全員に向けたメッセージであることは確かです。しかし「簡素な真人間」って誰なんだ?って話です。例えば「真っ当に生きる日本人」だとすると、話は分かります。でも例えばそれが日本人全員のことだったと仮定すると、「みんな!いいひと!」の思想を未だに抱いていることになります。世界を変えるのは無理と分かっていながら、その思想を持ち続けてる。理想と現実ってやつです。って考えるとさっきの「真っ当に生きる日本人」って「日本人全員」ってなりません?ややこしいんですこれが。

 

ただ真っ当に生きうと言い放てる時遂に祝う
その一口ぞ青々と

自由たる香 さぞ染み入る事だろう
伝う汗と涙が報われて欲しい皆の衆

自由よ愛している
もう遠去かんないで傍に抱き寄せて
終始貴様を尊び敬って求める自由
鳴呼どうしたって意識せざるを得ない
逃すまじ失くすまじ愛されてみたい貴様にやっと

ラスサビです。真っ当に生きる、とは何なのか。定義はそれぞれです。犯罪を犯したりとかしないで生きるのが真っ当って人もいれば、言葉は悪いですが人を殺して真っ当だ、当たり前だ、なんて思想の人もいるはずです。一つだけ共通点があるなら「自分の望むことをしている」のが真っ当ってことだと思います。それこそが自由。すげー簡単に言います。「好きなことさせろ」ってことです。そりゃ好きなことした後に飲む酒はうめーわ。希望が報われた後、飲む酒が「緑酒」になるってことです。この緑酒、品質とかの問題じゃないです。どれだけ美味い酒を飲む状況を作るかによって味が変化するってことです。そりゃそんな酒のんだらBig Loveになるって。

ただ、嗚呼どうしたって意識せざるを得ない、ってことは、自分も理想を追い続けたいことの現れです。ちょーっと前と意味というか考えが変わります。だから多分最後の貴様って、理想を追い続けている人間しかいない日本の社会だと思います。それが理想の最終形態。

 

で、緑の話に戻ります。さっき「平和」って意味があります、って話しましたよね。多分その平和ってのが、自分の理想を好きに追える世界ってことだと思うんですよ。他にも「愛」とか「集団的」って意味があります。ドンピシャですね。でもね、もう一つ知ってほしい意味があるんですよ。それは「自分を見失う」ってことです。本当に自分の理想とは何か?と考えてしまう。そんな意味で考えると、また少し違った解釈が出来ます。

 

てな感じでいかがですか?

物書きの端くれとして、考えを書きました。「緑酒」を飲むために、自分は何をするべきか?理想を突き詰める?では自分の理想とは?という解釈が一人一人違いますから、十人十色、様々な解釈が出来ます。それも東京事変椎名林檎の最近書く詞のすげーとこだと思います。

 

ちなみに、紅灯緑酒って前言いましたね。歓楽だと。歓楽街で想像するのは歌舞伎町。椎名林檎、歌舞伎町の女王って歌、出してますよね。有名です。アレも、世間的からはまだ夜の世界は認められづらい時代においての、理想、夢の一種なのかな、と思いました。

 

いや、長えブログ。

あー、疲れたので檸檬堂飲みます。え?お前こだわり酒場のレモンサワーはどうしたって?浮気?だがら!だから前も言いましたが!イケメンが言った言葉を繰り返すとd