煙草の煙が目に染みる

感情の垂れ流しが、目に、心に染みるように。

WANIMAの曲で陰キャの頭を殴ったら死ぬ

 

WANIMA、俺すげーバンドだと思うんです。数年前ずっと下火だったメロコア界で数年に1組の、規格外のバンド。シーンの雰囲気を変えちゃうぐらい、WANIMAのブレイクは邦楽ロックにとって重要なものになってると思うんです。

楽曲は本当に照れくさくなるくらい前向きで、メロコアの伝統をそのままに、音色だけは現代的にきらびやかでEDMに負けないくらいの迫力があるんです。

 

でもね、俺たちみたいな「高校時代カードゲームやって時間と金を浪費していた陰キャ」には、なんていうかこう、生理的に拒否反応を示しちゃう。社会人1年目で仕事もうやりたくねえよって思ってる鬱病またはノイローゼの人間を殺しに来ている。だからね、タイトル通りなんですけど、最近メジャーデビューしてからのWANIMAの曲で陰キャの頭を思いっきり殴れば脳天割れて死ぬと思うんです。なんでそんなことになってしまうのか、ちょっと考えてみようかと思うんですけど、俺は「高校時代カードゲームやって時間と金を浪費していた陰キャ」なので、記事書いてる途中に死ぬかもしれません。そこだけは気をつけたい。

 

ともに / WANIMA

 

めっちゃ流行ってカラオケとかでもよく聞く曲になってしまったよねこの曲。でもね、鬱病患者に言っちゃいけない「がんばれ!何とかなるから!」ってメッセージ性が前面に出ててヤバイ。どっかの記事で見たけど、WANIMAを心療内科のBGMにしたら人が死ぬ。これは確定事項。WANIMA本人も鬱病患者に向けて歌ってるわけではないんだろうけど、確実に死人は出る。

 

一応音楽記事なので曲でも解説しとくと、遊びの多い緩急に、一本筋のピシッと通ったKENTAのハイトーンボイスがめちゃくちゃ映える。メロコアの単調なはずの音作りの制約の中で、よくここまで飽きない展開の曲生み出せるなと思う。

 

でもね、このハイトーンボイスで人は殺せるってことを理解していますかKENTAさん?陰キャを殺せるんですよ?歌詞の向いてる方向、ファンキー加藤とか上地雄輔とかナオトインティライミとかとほぼ一緒ですからね?わかりますか?

ただ一点、ファンキー加藤とWANIMAに違う点ありましてね。WANIMA絶対いいヤンキーなんです。周りにもめちゃくちゃ優しいヤンキー。いましたよね?めちゃくちゃヤンキーっぽい見た目してるけど、陰キャにも優しいヤンキー。カードゲームしてても「なにやってんだよ〜〜」みたいな感じでフランクに絡んでくれるヤンキー。それと比べてファンキー加藤は絶対カードゲームしてたら机蹴ってくるヤンキー。絶対そう。

 

アゲイン / WANIMA

 

そして最新曲のアゲイン。俺聴いてたけど途中で聞くのやめちゃった。だって歌詞が真っ直ぐすぎるんだもん。俺たちみたいな心がパンチパーマかかってる人間には耐えられないんだもん。多分故郷の思いを歌ってる楽曲なんだけども、俺的に「まだまだこれからだ!」「何度失敗したって立ち上がろうぜ!」みたいな真っ直ぐなメッセージ性がヤバイ。心臓に刺さって死ぬ。

陰キャってな、一度メンタルが崩れると一気に崩れるんですよ。でもWANIMAは「まだだ!まだ立ち直れる!」って松岡修造理論で応援してくるんです。多分俺の親が松岡修造だったら自殺してますよ。WANIMAにもね、そういう要素あるんです。残念ながらあるんです。

 

BIG UP / WANIMA

 

あと、メジャーデビューする前の曲だけど、WANIMAさんの下半身の部分の方の曲。WANIMAってなんで「頑張ろうぜ!」みたいな曲か下半身の部分の曲で二極化してるんですかね。ここまでメロディも詞も実に下半身に正直でビビるよ陰キャは。陰キャなんて童貞しかいねえんだから、こんな下半身の曲聴いたところで吐血して死ぬしかないじゃん。

いやでも正直は美徳ですよ。どいつもこいつも、生ぬるい愛情表現を無理やりあの手この手でオブラートに包んで歌うけど、もうこれぐらいちんちん丸出しな方がいっそ清々しいわけですよ。最初から全裸で歩いてるおっさんと、マント着てて女学生の前でだけ丸裸になるおっさん、どっちも同じ変質者だけど最初から全裸の方がなんか気持ちいい変態だったりするじゃないですか。潔すぎて逆に「なにか事情があって裸なのかな…?」みたいに、嫌味のない捉え方ができるかもしれない。WANIMAはもう最初から全裸。オープンな全裸。

 

ただ、「頑張ろうぜ」系の曲も、下半身の曲も、結局1回聴いたら絶対に忘れないキャッチーど真ん中の、めちゃくちゃ華のあるメロディで、そこに、口ずさんで絶対に気持ちいい言葉選び。すげーんです。

もちろん、ダンスロックが一通り行き渡ってそろそろ4つ打ちばっかりもどうなの?っていう疑問が芽生え始めてたところにカウンターカルチャーとして刺さった側面はあると思います。でも、WANIMAが一介の「ちょっと売れたバンド」にとどまらず、ここまで広く受け入れられたのは全面的に本人たちの力に拠ってるはずなんじゃねえかなって思うんです。

 

でもWANIMA好きになれない。ごめんWANIMA。俺陽キャは好きにはなれんのだ。

 

Everybody!!

Everybody!!